アンティーク万年筆を普段使いする - モンブラン252

  1. 2009/06/25(木) 22:34:27|
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ごく限られた期間だけど、アンティークというか古い万年筆に興味を持って、数本入手した。
万年筆は常に実際に使うつもりで購入するけれど、経験からして3万円以上の物をガンガン普段使いするのは難しい。そのあたりがわたしの器量なのだろう。

モンブラン252-1

上の画像はモンブランの252。1950年代後半に作られていたらしい。かっこをつけてタイトルにはアンティークとしたけれど、ものすごく中古なだけかもしれない。ネットで、ちょっと怪しい感じのアメリカ人から、廉価で購入した。アンティークとしての価値は分からないし、美品ではないが、問題なく使える。
同系列に254、256の2モデルがあって、下一桁の数値が大きくなるにしたがってサイズアップする。3モデルとも1本ずつ持っていて、そのうち普段使いしているのはこの252のみ。
万年筆としては小ぶりだが、以前紹介したオマスのセルロイド万年筆と同じく、実用的には程よいサイズと重さ。

これも、筆記時にキャップを装着して、手頃な長さになる。
オマスのセルロイド万年筆と比較して、キャップが重たい。よって、キャップをお尻に装着すると、重心は中央より後ろにくる。下の画像だと、キャップのリングのあたり。
わたしにとっては本来好ましくないバランスだが、こういうペンは例外。ペン先の弾力がひどく軟らかい。書き手とか書き方をペンが選ぶ、と言いたいくらいに。252は普及クラスのペンだから、販売当時としては常識の範囲内だったに違いない。しかし、現代の万年筆と比べると、別ジャンルの筆記具と思えるほどに違う。それで書こうとすれば、筆圧を限りなく低くして、ペンポイントを紙面に軽く滑らせることになる。わたしの場合は。持つ位置も圧がかかり過ぎないように自然と後退する。よって、ペンの重心が後方になっても、気にならない。
モンブラン252-2


ペン先の軟らかさゆえに、いつもの書き方は概ね通用しない。道具に合わせることを要求される。
それでも、どこか楽しい書き味。上述のペン先の軟らかいタッチもある。また、昔風の薄いぺンポイントがもたらす感触もある。好き嫌いは別に、万年筆にしかできない書き味と感じる。これに比べると、良し悪しは別にして、今の万年筆の多くは別ジャンルの筆記具に歩み寄っている。この252は、なにか特別な物で書いているという不可思議な充足感を、さりげなくもたらしてくれる。

ちなみにこのペン先には、自分では手を加えていない。というか、この種類のペンにそれをする度胸はない。
購入直後にペン先の不具合を発見し、売主にクレームしたら、売主の負担で米国の調整師が修理・調整してくれた。

万年筆の持ち方をかえてみる

  1. 2009/06/21(日) 21:10:38|
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昨日の記事をアップした後、いろいろ試してみて、万年筆の持ち方を変えることにした。

これまでの持ち方は以下。
持ち方1


これを下のように変えることにした。
持ち方3

人差し指の位置が大きく変わる。

昨日の記事の「キャップレスが前提にしているかもしれない持ち方」からの派生型。
前に書いたとおり、ペン先をコントロールしやすく、筆記位置が移動してもペン先と紙面の当たり具合の変化が小さい。これがメリット。
一方デメリットは、ある程度背筋を伸ばして書かないと、紙面の正面より左側を筆記するときに、腕や手首が窮屈になること(右利き)。
よくよく考えてみたら、原則的に紙面を体の正面より右側に置いて書くことにすれば何も問題ない。元来右利きだから難しくはない。

新しい持ち方だと、右の手のひらが紙面に対して垂直に近い角度になる。これだと、ペン先を横方向に動かすときに、左右方向で力の加わり方に偏りが出そうで、ちょっと持ち悪かった。手首は外側に曲げるより内側に曲げるほうが、はるかに力がこもるから。
しかし、やってみると、力加減は容易にできるし、むしろ体の正面より右側に書く限りにおいて、従来より安定感がある。


今後どうなるかはわからないけれど、ブログの記事を書くことで、自分の持ち方を見直すことができた。自閉的な展開ながら、ブログの効用と考えることにする。

万年筆の持ち方 − キャップレスその2

  1. 2009/06/20(土) 17:42:12|
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キャップレスの特徴は、ご存知のように(?)ペン先の出し入れがノック式になっていて、かつクリップが下のとおり首軸に相当する位置に付いていること。
ノック式はどうしても万年筆を携帯使用したい人には実用的な機能。クリップの位置はインク漏れなどへの配慮と思われる。

クリップの形状をよく見ると、くびれ(細い部分)が設けられていて、持ちやすくするための配慮かもしれない。とすると、このあたりを人差し指と親指ではさむように持てということか。やってみると、悪くない。ペン先はスムーズに動かせる。軸は立ち気味になる。

キャップレス1


ただ、これは普段の持ち方ではない。長時間筆記していると、どうしても違和感が出てくる。
ちなみに、普段の持ち方は下。
持ち方1

この持ち方でキャップレスを握ると、当然下のようになる。
持ち方2

もろにクリップに人差し指がかぶってしまう。筆記量が多くなると耐えられない。
このせいで、購入時の期待に反して、キャップレスは普段使い用として定着していない。


ちなみに、自分の持ち方に自信はない。
上で書いたキャップレスが前提にしているかもしれない持ち方だと、ペン先をコントロールしやすく、筆記位置が移動してもペン先と紙面の当たり具合の変化が小さい。理にかなっているっぽい。
ただし、ある程度背筋を伸ばして書かないと、紙面の正面より左側を筆記するときに、腕や手首が窮屈になる(右利き)。字を書くときは背筋を伸ばして、ということかもしれないが、自分には筆記中その姿勢を持続するのは難しい。背中が丸くなってくると、腕や手首が窮屈になって、結局元の書き方に戻ってしまう。
書き方矯正には、まず背筋の筋持久力アップからか?

万年筆の持ち方 − キャップレス

  1. 2009/06/13(土) 17:54:05|
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ペンの持ち方は、人それぞれでいいと思うけど、万年筆はペンポイントの縦溝からインクが供給されるので、その部分が紙面に触れていなければ、インクがかすれても文句は言えない。使用者が歩み寄らなければならない。

わたしは字が下手だから、変な持ち方をしているかもしれない。しかし、まともなペン先でインクかすれなどのストレスを感じたことはないから、万年筆の生理からかけ離れた書き方にはなっていないと思う。

字が下手なのに筆記具にこだわるのは、一見不合理かもしれないが、わたしなりの理屈はある。文字を書くことは嫌いだけど、文章を書くことは嫌いではない。必要悪としての筆記の苦痛を軽減してくれる筆記具を欲している。

書き癖のせいで万年筆に馴染めない、という種類の悩みを経験していないので、長らく持ち方・書き方には無頓着だった。しかし、我流調整を始めてからは、考えるようになった。
ペン先調整で書き味の良さを生み出すために、書き手の筆記角度に合った面をペンポイントに作ることになる。消耗品であるペンポイントを削るのだから、勘やノリで作業するわけにはいかない。

よくよく考えてみると筆記角度は一定ではない。コレクターがちろちろっと試し書きするのは別として、実用の場面では一定どころかダイナミックに変化する。机やいすの高さなどの外的条件に影響されるのは言うまでもないが、そうした条件が整ったとしても、書きたい文字のサイズや筆記の目的(単なるメモか、人に読ませるためか)によって変化する。それどころか、書き進めるプロセスで、文字を書く紙面上の位置が変化するに伴って、筆記角度も刻々と変化する。
わたしの場合、おそらく35度〜75度の範囲で動的に変化する(紙面を0度として)。もっとも低くなるのは、右利きのわたしが紙面の左端をやや窮屈な姿勢で書くとき。もっとも高くなるのは、狭いスペースに細かい字を書くとき。
これだけ幅があるのでは、筆記角度に合った面など考えようもない。

現実的には頻度の高い角度を基準に定めるしかないが、角度によってあきらかにタッチが変るのはよろしくない。

下の画像はパイロットのキャップレス。Fニブのはず。
わたしにとって理想のペン先の一つ。普段使いをしていて、ペン先のタッチに乱れを感じることはない。ペンポイントの形状を観察し、参考にしている。細字〜中字のペン先であれば、ペンポイントが小さいので、筆記角度に幅広く対応させられるのだと思う。目指せ、キャップレスの書き味!だ。

キャップレス1


このキャップレス、ペン先はともかく、持つときにクリップが邪魔に感じられる。長くなったので、別の機会に。

万年筆の持ち方 オマス−小型セルロイド

  1. 2009/06/09(火) 17:18:47|
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イタリア、オマスの万年筆はわりと好きだ。
最近手持ちの一本を修理しようとしたら、しばらく輸入代理店の無い身の上だったらしく、びっくり。この春から新しい代理店がスタートしたばかりとのことで、その個体を郵送した。

オマスを好きな理由を挙げてみる。
まず軽量ボディ。もちろん重量級モデルもあるけれど、思い切った軽量モデルがいくつかある。個人的に、筆記具は、軽量のものか、ペン先寄りに重心のある重量級モデルが書きやすい。
次いで12面体(正確には12角柱?)のボディ形状。別に円柱状のボディで問題ないのだが、12面体の良さというのはあって、もちろん机の上をコロコロ転がることはないし、面数が多いので角の存在を筆記中悪い意味で意識することも無い。

品質の点では不安定な印象があって、新品の故障率が高いような気がする。過去にけっこう振り回された。
また、軽量軸の普及モデルは見た目が安っぽく、ペン先のデザインも素っ気無い。わたしはデザイン重視派ではないけれど。


下の画像は、何年か前にebayで落札したセルロイド軸のモデル。冒頭の要修理品ではない。軸にOMAS EXTRAと刻印してある。別の位置には2000とも刻まれている。12cm強の小型モデル。
オマスのセルロイド・モデルには惹かれていたけれど、高価ゆえに敬遠していた。そんなとき、たまたまebayに廉価で出品されていたので、普段用のつもりで落札した。金額は忘れたけれど、とにかく安かった。

オマス セルロイド ミニ


上にデザイン重視派ではないと書いたばかりだが、このペンの軸の模様はとても気に入っている。

キャップを閉めた状態での全長が12cm、胴軸の一番太い部分の横幅が11mmと、万年筆としてはあきらかに小ぶり。しかし、キャップを尻軸にはめると、筆記具としては標準体型になる。11mmという軸幅も(ペン先付近はもっと細い)、実用品してはほどよいと思う。手元にある「人間工学に基づいた筆記具」の軸幅も同じくらい。まあ、筆圧をかけなくとも筆記できる万年筆の場合、人間工学的な適正値は異なるかもしれないが・・・

オマス セルロイド ミニ2


ちなみに、万年筆で書くときは、通常はキャップをはずした状態で筆記する。
キャップをつけると、重心がかなり後方になる。軸の後方を持って、万年筆を寝かせて筆記する、という書き方があるようだ。個人的には、そういう持ち方をすると、ペン先の上下動が不自由になり、実用的観点からは採り難い。

ただし、このオマスはキャップをはめないと短すぎるし、キャップをはめてもたったの13g。重心は中央よりやや後方に寄るものの、この重量なら気にならない。


このペンもペン先をいじっている。新品の時点では、玉のように丸くて大きなイリジウムがついていて、深刻なインク途切れはなかったものの、書き味は“棒立ち”だった。
手持ちのペン先すべてに手を加えているわけではない。普段用だけ。

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