AUTOPOINT トリオ

  1. 2010/10/28(木) 22:50:29|
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相変わらずのピンボケだが、業務使用しているAUTOPOINTの3本。
Autopoint trio
中央は前回取り上げたAll-American JUMBO。こうして並べるとJUMBOというネーミングに説得力を感じる。とはいえ、実際は近年ブクブクと肥大化している和製シャープペンシルたち、たとえばドクターグリップあたりと同じようなサイズ。

上下の細身な2本はPush Domeというモデル。こちらは普通のノック式シャープペンシル。ボディの太さは鉛筆くらい。見分けにくいかもが、下はダークブルー。
この2本には0.7mmのカラー芯をボディカラーに合わせてセットしている。細身のノック式なら何も入手しにくいAUTOPOINTを選ぶ必要はないが、0.7mmの芯が使えて赤と青のボディ色がそろっているモデルが意外と少なくて、Push Domeは有力な選択肢の1つ。

というわけで、All-American JUMBOは筆記具としての興味から手を出したが、Push DomeはもっぱらボディカラーとAll-American JUMBOとの見た目の統一感で購入。
もっとも、All-American JUMBOを細身にしたAll-American Standardというモデルがあって、統一感ならこの方を選ぶべき。あえてPush Domeを選んだのは、回転繰り出し式よりノック式を優先した次第。回転繰り出し式は面白いので1〜2本は手元にあってもいいだろうが、それだけあれば十分とも思う。

いずれのモデルも、機能的にも仕上げの面でもデザインにおいても、誉めそやすほどのシャープペンシルではないけれど、異彩を放つ存在ではある。単体でも然りだが、3本並べるとなおさら。この安っぽさと古臭さを肯定的に受け取るのか否定的に受け取るのか。

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今のところカラー芯は0.7mmに決めている。カラー芯は軟らかくて粘るので、芯径を大きくすると紙面との摩擦が気になる。また、0.7mmカラー芯の筆記線の太さは、2Bで0.9mmの黒鉛芯と比べて遜色がない。
だったら0.5mmでも良さそうだが、0.7mmの方が多少は折れにくいだろうと思っている。複数の国内メーカーが0.7mmカラー芯を提供してくれる安心感もある。

AUTOPOINT の All-American JUMBO

  1. 2010/10/26(火) 22:48:00|
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最近、米国の筆記具ブランドAUTOPOINTのAll-American JUMBOを購入。
Autopoint Jumbo Ivory
いろいろと個性的なシャープペンシル。まず芯の出し方は回転繰り出し式。伝統の十角形軸。選べる芯の太さは0.9mmと1.1mm。ロングノーズ。

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紙面と接するペン先は決定的に書き味に影響する。よって、シャープペンシルで書き味にこだわるなら芯が何より重要。
手に触れるのはペン本体なので、軽視することはできないけれど、ペン先まで本体に組み込まれている万年筆とは事情が異なる。

なんやかんやあって、シャープペンシルの芯では、0.9mm〜1.1mmあたりのHBかBあたりが好みになっている。

0.9mm〜1.1mmは漢字をしっかり書くには太すぎる。しかし、斜めに筆圧をかけても芯が折れないこと(わたしは低筆圧ながら、軸を寝かせて書くので)、安定した感触を追い求めると、0.9mm以上がいい。
ただし、1.3mm以上だと線が太すぎる。2.0mmの芯ホルダーを芯を削らずに使っているわたしからすれば、もてあますような太さではないけれど、たとえば1.3mmと2.0mmの芯を削らずに書くと案外と線の太さに差がなくて、それなら芯ホルダーの方がいい。芯の選択肢はずっと広いし、2.0mmの安定感は何より。

0.9mmは入手しやすいが、1.1mmは難しい。海外のアンティーク物ならともかく、気軽に使える価格の現役モデルとなると、AUTOPOINTは有力な選択肢になる。

わたしの書き方では、0.9mmと1.1mmでは線の太さの差はほとんどない。0.9mmの2B芯と1.1mmのHB芯なら、むしろ1.1mmのHB芯の方が細くなる。

芯の硬度の選択は難しいところだが、現時点では0.7mmとか0.5mmなら軟らかい方が好き。しかし、1.0mm以上となると一概に言いにくくなる。
2B、4Bといった軟らかい芯の方が、低筆圧でもしっかりと色が出てる。しかし、軟らかい芯の方が紙面との摩擦は大きい。芯が太くなってくると、この点を軽視できなくなる。
紙面をスルスルと走るのは硬い芯。しかし、発色が弱すぎると、自然と筆圧をかけてしまうことになり、かえって心地悪くなる。
自分にとってバランスの好い芯を探すしかないけれど、HBかBあたりが無難と考えている。ただし、メーカーによってHBはかなり発色が弱い。

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話をAll-American JUMBOに戻すと、国内では分度器ドットコム他で入手できるのだけど、本国と比較するとボディーカラーや使える芯の太さに限りがある。
そこで、米国の直営(?)サイトから直接購入した。画像の個体ともう一本を購入したところ、送料込みで国内通販と同等かちょっと安価なくらい。到着まで10日くらいかかるが、即日発送(といっても時差あり)で、問い合わせに丁寧に応じてくれる(もちろん英語だけど)。

All-American JUMBOというネーミングはどうかと思うけれど、品物はなかなか気に入った。

回転繰り出し式の使い勝手や鼻先の長さに好みは分かれそうだ。個人的にロングノーズは問題無いが、回転繰り出し式はノック式より使いづらい。が、許せないほどの不便さではないし、ちょっと面白い。
また、回転させる本体と鼻先の接続部分は、筆記に支障のない程度ながら工作精度は怪しく、手持ちの2本のうちの片方には微妙にぐらつく。

一方、軸幅1cmほどの軽量ボディは、わたしにとって扱いやすい。重心はやや軸尾に寄っているものの(わたしの好みはペン先寄りの重心)、軽量ボディなので気にならない。また、鼻先が長いために、持ち位置が自然と軸尾に近くなり、結果的にほどよい重心位置になってしまう。

これまた好みの範疇だけど、デザインも気に入っている。見方によっては大味でどことなくおもちゃっぽくはあるけれど、シンプルで落ち着いている。米国は歴史の浅い国だけど、安価なメカニカル・ペンシルの基本形状が数十年間に渡って継承されていることに感心する。

クレンペラーについての覚書(1)

  1. 2010/10/24(日) 20:29:53|
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クラシック音楽愛好家としてのわたしは、クレンペラーの録音を聴いて育った。

身近に導き手がいない環境で、中学2年のときに突然クラシック音楽を聴き始めた。心に響く演奏家との出会いの難しさを痛感しつつ、その2年後くらいにクレンペラーの録音と出会った。それから数年間はクレンペラー三昧で、彼の演奏を通して、独墺系音楽の多くを知った。

クレンペラーの演奏は強烈に個性的なので、その演奏が作曲家の楽想に近いものとは毛頭思わなかった。
ただ、彼の演奏を聴くと、楽曲の構成とか1つ1つのフレーズの託された効果とかが、これ以上になく明快に提示されていると感じられた。

現在、クレンペラーに格別入れ込んでいるつもりはないが、思い入れのある演奏家であることは間違いない。

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指揮者は人気商売。人々に理解され、受け入れられるには、分かりやすい方がいいに決まっている。ときには、わかりやすすぎて非難されることはあるけれど・・・
クレンペラーは、おそらくわかりにくい指揮者の最右翼。

フルトヴェングラーの演奏で悲劇的に聴こえる部分では、たぶん指揮者自身そういう効果を狙っている。ワルターの演奏で優美に聴こえる部分でも、たぶん同じだろう。
しかし、クレンペラーの演奏が壮大に聴こえても、指揮者が意図的に壮大に鳴らしているとは限らない。クレンペラー自身は別のことに意識を向けていて、その結果として壮大に聴こえるだけかもしれない。だから、フルトヴェングラーやワルターに比べて、クレンペラーはわかりにくい。

だからと言って、クレンペラーが聴き手を意識していないと見なすのは違うと思う。彼なりに聴衆を意識していたが、もともとの性格が無頓着なのだろう。

シューベルト 交響曲第7番『未完成』 ワルター / ニューヨーク・フィルハーモニック

  1. 2010/10/15(金) 09:04:52|
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1958年の録音。ステレオ録音。

モノラル録音でも精緻なアンサンブルの魅力は歴然だったが、鮮明なステレオ録音により細やかなニュアンスは格段に引き立っている。いや、おそらく生演奏以上にディテールが浮き上がって聞こえるから、人工的な繊細感と言うべきか。

ゆったりと安定したテンポの上で、音の動きの1つ1つが鮮明に、そしてこれ以上ないくらいニュアンスたっぷりに編み上げられる。
強奏の場面でも秩序は崩れない。パワー開放による爽快感は乏しいが、それなりの力強さと量感を伴って克明に鳴る。

特別仕様の楽譜で演奏していると錯覚をしてしまうくらい、ディテールは美しく磨かれている。未完成交響曲らしいかはともかく、ワルターの芸格を見せ付けられる。
こういうマニアックに耽美的な行き方に共感するわけではないけれど、それでもこの演奏で示された表現力はすごいと感じる。ここまで徹底されると、演奏芸術における1つの極致と感じる。

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耽美的で巧緻で細部肥大型だけど停滞感はない。このあたりはワルターのキャパの大きさで、それぞれの楽曲の持ち味と自分の美学との折り合いの付け方を心得ている。
とはいえ、しなやかな流動感とか若々しさは実感しにくい。特にスローな第2楽章は、はじめはうっとりと聴いていたけれど、だんだんじれったくなった。

マーレンのジャーナル、現在慣らし中

  1. 2010/10/11(月) 16:26:41|
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携帯画像だけど、下はマーレンのジャーナルというモデル。もうカタログ落ちしているのだろうか。


万年筆ネタは久しぶりだけど、この1年近くジャーナルを使い続けている。気に入ったから、という理由ではなくて、自己流の調整中なのだ。

購入後にスムーズに書けないときは、とりあえず販売店に調整を依頼する。このジャーナルは、多少違和感はあったものの、インクのかすれとかペン先の引っかかりは無かったので、そのまま何年も放置していた。
1年前、取り出して書いてみると、なんか嫌な感じ。購入時より経験値は上がっているので、嫌な感じの的中率も上がっている。

インクのかすれとかペン先の引っかかりは無いけれど、インクの濃淡が出やすいし、線の太さも安定しない。
ペン先をよく見ると、ジャガイモのようにゆがんだ形をしている。切り割りもまっすぐではない。使っているうちに自然と解消されるタイプの障害ではなさそうだ。

それで、ペン先のジャガイモを整形しようと試みるも、力をかけると左右の切り割りが上下にカチカチとずれてしまう。下手にペン先をいじると、こじらせてしまいかねない。これを一気に何とかできる腕はない。

作戦変更。
ペン先の紙に接する部分の整形は自然に任せる。つまり、書きながらならすことにする。とは言え、上に書いたとおり自然と解消されるタイプの障害とは思えないので、アウトラインをラッピングフィルムで形成してみる。

この作戦にしても自信はない。使いながら少しずつ削る。アウトラインの形成がある程度落ち着いたように思えたのは着手から半年後くらい。
現在は、もっぱら筆記しながら接紙部分を整えている。といっても、整えるためにわざわざ書くことはなく、自然体なので時間はかかる。

この1〜2ヶ月で、経緯を知らなければ普通に使えそうなところまできた。しかし、もちろんわたしは経緯を知っているので、いろんな粗が見えてしまう。
慣らし筆記の終わりは見えてこない。

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ジャーナルの最大の特徴は、ボタンフィラーというインク吸入方式。

画像のように軸尾にボタンがあり、これを数回押すことで吸入する。慣れると片手で吸入できるのは利点。しかし、片手でなければならない理由を思いつけない。
一方、吸入量が不安定に感じられるし、どれだけ入ったのかを確認できない。また、吸入機構にゴム素材が使われているようで、経年劣化がある。
個人的には、回転吸入方式と比べて、軸尾が重くなりにくいことがボタンフィラー方式のメリットか。

何ヶ月も使っていると、それなりに手が馴染んでくる。今のわたしには書きやすいペンだけど、軸形状に癖があるから、好き嫌いは分かれそう。
軸尾にキャップを付けないで書くと、ボディの黒い輪のところの段差が気になるだろう。軸尾にキャップを付けようとすると、深く刺さらない仕様なので、全長は相当長くなる。

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