ブルックナー 交響曲第8番 クナッパーツブッシュ / ベルリンPO

  1. 2011/03/31(木) 11:28:32|
  2. ブルックナー 交響曲第8番|
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1951年のセッション録音。解聴いた音源はauditeのRIAS録音集。硬い音質で雰囲気をつかみづらい反面、情報量はかなり多い。


クナッパーツブッシュはとことん“感情表現”を追求する。気持ちを込めて演奏する、というだけではなくて、音の響きや動きをあたかも感情のように表現する。細かいテンポや音量の変化、フレージング、楽器の音の重ね方などに、思い入れの詰まった工夫(?)を施している。

この録音での彼の“感情表現”は、そうとうにアグレッシブで生々しい。第3楽章ですら、「荘重」(←楽譜の指示)というには1音1音にこめられた思いが強すぎ、生々しすぎるかもしれない。硬質な録音の影響は大いにありそうだけど、おそらく指揮者自身が、雰囲気や音響効果に流れることを嫌っているようだ。音の動きの1つ1つに濃やかに表情をつけ、むき出しの生々ししさでもって鳴らさせている。

その生々しさゆえに、万人受けしにくい演奏かもしれないけれど、楽曲に命を吹き込んでいると感じられるし、細部にまで覇気がみなぎっている。

ブルックナーの交響曲としては珍しいくらいに"ウケ狙い"が目につく作品だけど、クナッパーツブッシュの強い思い入れが、隅々にまでシリアスなリアリティをもたらしている、と思う。

uLilith の感想とか

  1. 2011/03/21(月) 02:03:03|
  2. PCオーディオ|
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つい先日の3/16、SoundPlayerLilithの後継であるuLilithの最新版が公開されたので、ダウンロードして聴いてみた。このバージョンに限らず、uLilithを聴くのは初めて。

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プライベートで使えるパソコンは何台かあるが、現状mp3再生に使っているのはWindows2000のマシン。CPUはPemtium?800MHzというロースペック。壊れるまでの暫定使用のつもりだが、なかなか壊れない。そして、マシン負荷の低いソフトウェアを選べば、意外なくらいにいろんなことができてしまう。

uLilithの第一印象は、とにかく重たい。メモリ使用量はやや多い程度だが、CPU使用率の高さは、よく使う他のソフト、foobar2000、XMplay、MediaMonkeyらとは比較にならない。uLilithのシステム要件を下回る低スペックマシンでの使用だから、文句を言う筋合いではないけれど、実用できるギリギリのところ。

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音質は、わたしの環境ではLilithとの違いを感じた。
Lilithは高音・低音とも伸びが控えめで、まとまりの良いおとなしい印象の音だった。個人的には、無難だが、積極的に聴きたいとは思えない、という位置づけだった。

一方のuLilithは高音・低音ともしっかりと出ていて、押し出しのよい音になっている。個々の音の輪郭も鮮明。パッと聴いて、鮮度と力強さが印象に残るタイプの音。
しかし、いろいろ聴いてみると、Lilith同様音の分離が弱くて、広がりとか奥行きを感じにくい鳴り方。また、ハッキリした高音は、ときどきヴォーカルとか弦の質感を損なうように聴こえる。

マシン負荷の高さを併せ考慮すると、愛用ソフトウェアとはなり難いか・・・

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特定の利用環境での、わたしの好みによる感想なので、興味のある方はご自分で確認願いたい。

ブルックナー 交響曲第8番 クナッパーツブッシュ / ミュンヘンPO

  1. 2011/03/14(月) 01:52:15|
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1963年のセッション録音。解像度指向のサウンド。ディテールが明瞭であるかわりに、ホールの雰囲気みたいなものは乏しい。とはいえ、全体のまとまりはよいと思う。


力まず煽らず淡々としている。スケールは大きいが巨大というほどではないし、高揚は音楽の自然な流れの延長上にあって、壮絶というほどではない。
そのかわりに、語り口がある。朴訥としているけれど聴き手を弛緩させない語り口。その大きな両の掌の上で音楽が自然に成長していくさまを静かに見下ろしているような佇まいがある。

ところどころ崩すものの、全般的には安定した足取りで、オーケストレーションを丁寧かつ分かりやすく鳴らしている。特別なことをやっている風ではないけれど、ディテールは自然に息づき、スーッとこちらに流れ込んでくる。

各パートを明瞭に鳴らし分けるけれど、それらを整然と配置するのではなく、むしろ自在に配合して多彩な表情を作り出していく。そして、音楽の醸し出す気分(とその変化)をオーケストラ全員が共有している様子。磨き上げられた感じのアンサンブルではないけれど、細やかな気分の切り替えが的確に決まっていく。
他の優れた指揮者の演奏で感じるのとは別種の上手さを感じる。自分の望む気分に周囲を巻き込める力量とでも言うのか。

大曲中大曲だけについつい聴く方は身構えがちだけど、心穏やかに堪能したい演奏だと思う。特に第三楽章。